最近わたしのまわりで犬と暮らしたいという方が増え、相談に乗る事も増えてきました。
またこのブログへ「トロント 犬」の検索ワードで来てくださる方も増えてきたので、今回はトロントで犬と暮らす上での動物条例などルールをシェアしたいと思います。
- これから・将来的にトロントで犬と暮らしたい方へのヒント
- カナダと日本のルールの違い
をまとめています。
ペットライセンスを取得しよう
これは日本でいう畜犬登録みたいなものですね。一年に一度の更新が必要で、お知らせがきます。
料金は犬か猫か、去勢避妊手術をしているかいないかで変動しますが、目安として去勢済みの犬なら年25ドル。
ライセンスを取得するとペット番号が刻まれたタグをもらえますので、首輪に装着します。
- タグの着用によって、迷子になった時に迅速に再会できる
- よそに預けていた時や出先での緊急事態の連絡先となる
タグを着ける事によってチャリチャリと鳴る音がストレスになるという意見もありますが、必ず首輪につけましょう。
音が気になる場合はマスキングテープで刻印面とは反対の面を覆うなど工夫してみるのも手です。
クレジットカードを持っているならオンラインで申請できます。
申請には主治医の名前・住所・電話番号・更新の際は更新通知番号が必要です。
ライセンス料はなんと100%、ペットや野生動物のために使われます
- 保護施設でのお世話にかかるお金や獣医への診察料
- 保護された動物の避妊/去勢手術代
- 緊急動物レスキューサービス …などなど
各種予防接種を受けよう
各種予防接種
日本と同じく、子犬で迎える場合はパピー用の予防接種を受ける必要があります。
生後2ヶ月以降の引き渡しになるので1回目はブリーダーさんのところで、2回目からはかいぬしさんが動物病院に連れて行って接種します。
それ以降は日本と同じく毎年予防接種のお知らせが来ます。ライム病やレプトスピラも受けられますのでDr.に聞いてください。
狂犬病の予防接種
狂犬病(Rabies)予防接種は必ず受けましょう。以前は年に一度だったと思うのですが、今は3年に一度です(州によって違うかも)
病院またはチップトラックの会場で接種できます。
チップトラックとは▼
マイクロチップの登録ができる移動トラックです。ここで狂犬病ワクチンも接種する事ができます。
またマイクロチップは子犬を迎えて最初の予防接種を打つ病院でも挿入するか聞かれますし、ブリーダーさんのところで挿れてもらう場合もあります。
マイクロチップは迷子になった時の命綱であり、狂犬病ワクチンとセットになっている事からワクチンの接種情報も入るものと思われます。
トロントとその周辺ではコヨーテ、アライグマ、スカンク、キツネ、コウモリなど様々な野生動物が出没し、それだけ狂犬病流行の危険性があるという事なので、高齢や持病などの免除がなされない限りは必ず接種しましょう。
ダニやフィラリアのお薬
春から秋にかけて、月に一度摂取するお薬です。
日本ではお肉みたいな美味しいお薬になっていますが(先代ゴールデンはこれが大好きでした)、こちらではそんな気の利いたものではなく普通のでかい錠剤です。
規則にしたがって飼育する
飼育できる頭数に制限あり
- 猫は6頭まで
- 犬は3頭まで
おそらく多頭飼育崩壊を防ぐためと思われます。つまり一回の散歩で3頭までしか一緒に歩かせる事はできません。
4頭、5頭を歩かせている人はDogWalkerというお散歩代行さんです。
うんちを拾う
拾ったうんちは公園やドッグパークの入り口に設置されている緑色のゴミ箱に捨てて帰ります。
地域によっては犬のうんち専用のゴミ箱があることも。
こんなに便利なのに、街は放置うんちでいっぱいです…トロントの芝生を歩く機会があったら、うんちを踏まない様に気をつけてくださいね!
いろんな国から人が来てるからうんちを拾う習慣がない人もいるでしょうが、騎馬警察も馬のうんち掃除しませんし…そんなに気にしないのかもしれません…
でもうんちの後始末をしないのは罰金の対象です。地域によって500ドルとかそのくらいです。
犬の係留の時間制限
係留とは日本でいう「繋ぎ飼い」、庭や家の中で繋いでいる状態の事です。
トロントでは犬を最大1時間までしか繋いでおけません。
また犬を繋いでおく鎖などは3m以上の長さがないといけません。
つまり日本の田舎でいまだに見られるような繋ぎ飼いはできないという事ですね。
公共の場ではリードをつけること
リードの長さは2m以内である事、飼い主はリードを必ず手で掴んでいる事。
ポールや自転車にリードを繋ぐ事は許されていません。
またチョークカラー、チョークチェーン、プロングカラーを使用する事はできません。(たまにいるけど…)
マーチンゲールカラーは許可されています。
犬の健康や隣人に配慮する
犬は寒さや暑さから守られなければならず、できる限り家の中に入れる事、とされています。酷い飼い方をしている場合、犬は保護されます。
屋外飼育の場合は大きさはもちろん清潔さや日当たり、風通しなど様々な事に配慮した小屋を建てる必要があり、正直いって室内飼育の方が楽です。
また犬が継続的に吠え、隣人に迷惑をかけている場合、騒音条例によって起訴される可能性があります。
うちの近所でも、ベランダに放置されていたパグが通報されてアニマルサービスに保護された事があります。
もちろん犬が他者を攻撃してしまったなどはかいぬしの責任となり、市に届ける必要があります。騒動のレベルによって追って沙汰あり。
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規則ではないが、推奨されていること
去勢手術または避妊手術を受ける
- 深刻な病気を防ぐため
- 交配に関連する望ましくない行動を減らす
- 望まれない繁殖を防ぎ、ペットの増えすぎを防止する
手術を受けないとデイケアやドッグウォーカーさんに預かってもらえない・雌はヒート中はドッグランに入れないなど、デメリット多めです。
また正規ブリーダーから子犬を購入すると、遺伝病などのリスクを無視した自家繁殖に使われる事を防ぐため、契約書に「去勢手術/避妊手術を受けること」の項目があります。
犬を運動・トレーニングさせること
犬と頻繁に散歩すること、トレーニングすること、社交的にする事を推奨されています。
トロントのかいぬしさんはトレーニングに熱心な方が多く、クリッカートレーニングしながら散歩している方も見られます。
動物病院によってはトレーニング教室の案内を貰える事もあるので、初めて犬と暮らすなら犬よりもかいぬしのトレーニングの為に参加するといいです。
参加費は回数やレベルによりますが、我が家が参加したコースは週一回2ヶ月(全7回)300〜400ドルくらいだったと思います。
ピットブルについて
2005年から飼育できない法律に
2005年にピットブルの咬傷事故があり、それ以降トロントを含むオンタリオ州ではピットブルを飼育する事はできない事になっています。
- ハイブリッドウルフドッグ
- ピットブル(ピットブルテリア、スタッフォードシャーブルテリア、アメリカンスタッフォードシャーテリア、アメリカンピットブルテリア)
- ピットブルと実質的に同様の外見・身体的特徴を有する犬
ピットは飼えないけどああいう感じの犬はとても人気があり、体高の高いタイプのアメリカンブリーやマスティフミックスをよく見かけます。
時々、どっからどうみてもピットでは?という犬も見かけますが、きっとアメリカンブリーなんでしょうね。
ちなみにアメリカや日本で頭数が増えて来ている足の湾曲した背の低いタイプのアメリカンブリーはこちらではあまり見ません。背の低いアメリカンブリーは見ますが、割と足はまっすぐです。
トロントで多く見られる犬種についてはこちらもどうぞ▼
2022年、法律廃止なるか
ピットブルに関する法律は、すでに飼われている犬を飼い主から引き離す力もあったため様々な事件が起こりました。
- とある家庭犬が「ピットブルのミックス」と疑われ押収される→近所の人の署名や医師の診断により無事に帰還
- アメリカンブリーの子犬がピットブルとして押収される→DNA鑑定ののち犬は無事戻ってきたが、3週間も拘束され子犬としての貴重な社会化期間を失った
ピットブル(とピットブルに見える犬)は問答無用で押収され、他の州で新たな家族を探すか安楽死させられていました。
昨年2021年に法律の一部が暖和され、今年廃止されると報道されています。
だいたいこんな感じ
予防接種や月一のお薬なんかは日本と同じですね。
大きく違うのは外での繋ぎ飼いをしてはいけない事、チェーンカラーやプロングカラーを使ってはいけない事でしょうか。
こちらでは犬は室内で(しかも基本室内フリーで)暮らすものと思っている人が多いので、外に繋いどこうなんて奴は元々いないと思いますが…このあたりは日本も早くそうなって欲しいな〜と思います。
ちなみにトロントでの犬のお迎え先についてはこちらをどうぞ▼
この記事↑ではペットショップでの犬猫生態販売が禁止されているトロント市で、どうやって犬を迎えるのか詳しく書いてます。
それでは、今回はこのへんで。みなさんよい犬暮らしを!