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今回はトリミングサロンでこれからの季節増えてくるオーダー「サマーカット」について。
実は短かすぎるつんつるてんのサマーカットはデメリットが多いので、ご一考頂けたらと思います。
サマーカットするなら長め残しがおすすめ
トイプードルなどの小型トリミング犬種が人気の日本では、トリミングサロンで定期的なカットをするのが一般的ですね。
ですがもともと犬の被毛には様々な役割がありますので、あまりに短く刈ってしまうとこれらの役割を果たせなくなってしまいます。
- 日光や紫外線や外気温から皮膚を守る
- ケガや虫刺されから皮膚を守る
- 雨や汚れから皮膚を守る
- ダブルコートの犬は換毛期があり、季節に対応する…など
ある程度のカットは衛生的に有効ですが、地肌が透けるほど刈ってしまうのは短すぎです。
シングルコートの犬▶︎湿度の低い原産国が多く、高温多湿の日本では短く刈ってしまうのは適していません。
ダブルコートの犬▶︎二層の豊かな被毛によって皮膚を守り、季節に対応するために換毛期があるので、※ポメラニアンはライオンカットや柴犬カットが人気でトリミング犬種と思われがちですが、実はポメラニアンはダブルコートで毛も伸び続けず、トリミング犬種ではありません。
長めに毛足を残してもらうのがおすすめ
シングルコートのトリミング犬種でサマーカットするのであれば、排泄物で汚れやすいお尻や、外で汚れやすい足回り・お腹などを整えてもらう位がおすすめ
ダブルコートの非トリミング犬種はもともとカットは必要ないが、短く刈るよりも、日常的にブラッシングをして手玉を防いだり、抜け毛を除去することが大切!
短かすぎるサマーカットのデメリット3つ
犬の体を守る役割を担っている被毛なので、1mmや2mmなどのバリカンで短すぎるサマーカットにした場合、次の様なデメリットがあります。
▼例えばこの位の毛の長さならある程度毛に守ってもらえますね。
- 熱中症や日光による皮膚炎の危険
- ケガや虫刺されから守れなくなる
- 冷えすぎて体調を崩す
では一つずつ見ていきましょう↓
熱中症や皮膚炎の危険
被毛という断熱材、被毛が含む空気の層がなくなる▶︎日光や暑い外気の熱を直に受けてしまい、熱中症のリスクが上がります。
直射日光や地面からの反射熱が皮膚に届きやすい▶︎日焼けしやすくなり日光皮膚炎や酷いと熱傷を起こすことも。
ケガや虫刺されの危険
ちゃかちゃかしてぶつけたり、激しめの遊びをする子は被毛がクッションになっている▶︎毛を短くした後いつもの勢いで遊ぶとケガをしやすくなります。
毛の層が少なくなりすぐ皮膚になる▶︎蚊などの虫に刺されやすくなります。
冷えすぎによる体調不良
冷房の冷たい空気は下に溜まる▶︎断熱材の被毛がないと体が冷えやすいです。
また被毛の長さが元に戻るのに4ヶ月前後かかる子もいます。
気温が急に下がったりする秋はもともと犬の下痢が多い時期ではありますが、秋を短毛のままで過ごす事により体が冷えてしまう事も原因の一つになるのではないでしょうか。
高齢になると上毛の伸びが悪くなるのでより注意が必要です。
他にもこんな事が
伸びるところと伸びないところの長さが段々になってしまう事も。
これは「毛刈り後脱毛」と呼ばれ、長毛種が短く刈りすぎると起きやすいと言われていますが、詳しい原因と治療法は解明されていません。
さらに毛質が変わる・手触りが変わってしまう・ダブルコートの犬は上毛よりも下毛の方が伸びるのが早いため絡まってもつれやすくなるなど、様々な報告があがっています。
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短く刈りすぎてしまったらの対策
もし短くするのなら、犬を体調不良などから守るために下のような対策をしましょう。
かいぬしさんができること
- 服を着せて日光や冷えから守る
- 毛布やベッドを設置する
- サーキュレーターで冷房の空気をかき混ぜる
外出時は直射日光を遮断するために、室内にいる時は冷えすぎを防ぐためにそれぞれに適した服を着せるといいです。
皮膚疾患などで短いサマーカットをしている子もいる
- 劣悪な飼育環境からのレスキューで一時的に刈られている
- 皮膚疾患の治療のために刈られている
悪徳繁殖家(パピーミル)からレスキューされた子は被毛が酷い状態になっていたり、皮膚もダメージを受けている事が多いため、動物病院やボランティアトリマーさんによって一時的に丸刈りにする事があります。
高温多湿の日本では細菌が繁殖しやすい事もあり、皮膚疾患の治療の為に毛を短く刈る子もいます。
皮膚疾患では風通しを良くする事が大事で定期的に薬湯をしたり、薬を塗ったりが必要な為、サマーカットは効果的です。
そういう犬のかいぬしさんは毛を短く刈った愛犬に対して日常的に対策対処をしていると思いますので、短かすぎるサマーカットだからといって片っぱしから「短すぎるんじゃない?」と声をかけるのも考えもの。
おまけ▶︎バーニーズマウンテンドッグにサマーカットはしない
さてうちの楓は暑さに弱いバーニーズです。
暑さに弱いので被毛によって空気の層を保持すると共に、直射日光や照り返しから守らなければならないので、我が家ではサマーカットは行いません。
- 気温20度前後でクールネックを使用開始
- 気温23度まで、湿度50%代までで、地面を触って熱くなければ日陰を選んでお散歩
- 地面が熱くなる季節は朝方と夜のみお散歩
- 夜のお散歩は気温28度までクールウェア着用、30度近くと湿度が高い日はお休み(といっても年に数日)
警戒し始める気温が日本と比べて低く感じると思いますが、カナダは非常に日光が強く、20度前後から夏を感じ始めます。18度位からカナディアンもぼちぼち脱ぎ始めます。
黒い服を着て日向にいるとかなり熱くなるため、黒い被毛の犬のかいぬしさんは注意が必要です。
↑最初はクールネックから始めて、こういうクールウェアに慣らしておくことをおすすめします。
袖を通すタイプではなく、頭だけ通してバックルで留めるタイプの方がおやつを食べさせながら着せやすく慣らしやすいです。
またカナダは年間通して湿度が低く犬にとっても過ごしやすいと思いますが、=高湿度に慣れていない・湿度が高くなると犬は非常に苦しく熱中症のリスクが高まるという事なので、湿度が高い日は無理をさせない事にしています。
まとめ
サマーカットまとめ
- サマーカットはやるなら毛足を長めに残そう
- 短かすぎるサマーカットにはデメリットがたくさん
- 短くしてしまってもかいぬしさんにはできる事がある
- 皮膚疾患などで短くしている子もいる
- 夏場はクールウェアで対策を
そして最後に、昨今はSNSなどで短すぎるサマーカットにされた子を面白おかしく投稿されたり、それがバズったりしています。
疾患や劣悪環境からのレスキューという事情もあるかもしれません。そういう子を街で見かけても、バカにして笑ったりしない様にしましょう。