こんな犬とかいぬしさんにおすすめ
- 爪切りや体のケアを嫌がって逃げちゃう
- 暴れて危なっかしい動きをする
- 噛んじゃう
- 体を触られるのがこわい
- すべての犬さん
- 犬に無理強いさせたくない
- なるべく叱らずに育てたい
- 体罰を使う古いしつけはやりたくない
- 押さえつけずにスムーズにケアに慣らしたい
- すべてのかいぬしさん
なので、子犬はもちろんですが
体罰を使う古いしつけトレーニングを受けて人間を疑う様になってしまった犬
野犬出身のとにかくなんでも怖がる犬
にも使える方法です。
ちなみにおやつを使えばなんでもできる子の爪切り方法は、こちらもご参照ください▼
ハズバンダリートレーニングでは罰を使わない
元々は動物園や水族館で行われていたもの
日本語で「受診動作訓練」
- 動物園や水族館の飼育動物をはじめ、現在では犬や猫など伴侶動物にも行われているトレーニング
- 採血・検温・グルーミングなどの健康管理や、緊急時の治療・投薬がしやすい体勢をとることを学んでもらう
- 麻酔で眠らせたり押さえつけるのではなく、自主的に手足を出したり方向転換したりするよう教える
- 正の強化を使う=体罰は一切使わず、して欲しい行動を笛やクリッカーでマークして・主に食べ物などの強化子を提供する
- 動物には途中でトレーニングをやめる選択肢がある
- 動物のストレスや嫌がるために起こる危険な行動を減らすことで安全性を向上させ、それがヒトのストレス軽減にも繋がる
このトレーニングによってライオンやハイエナなどの肉食獣にも麻酔を用いない健康管理や治療が可能になり、長期飼育につながっています。
よく和犬は狼に近いのだから厳しくしつけないといけない!毛皮の下は狼と同じ!なんて意見を見ますが、そんなに犬を狼にしておきたいのなら尚更、動物園の様にハズバンダリートレーニングをするべきでは?と思います。
大型獣に罰を使わず協力することを教えられる=もちろん犬にも罰は必要ない!ってことですよね。
ハズバンダリートレーニングができるトレーナーやサロンを探す
大動物や肉食獣を相手に行うトレーニングですから、人間の友である犬、猫、鳥といった伴侶動物にももちろん有効な手段です。
近年ではドッグトレーニング業界やトリミング業界にも広がっていますので、しつけ教室やトレーナーさん、トリミングサロンを探す際はぜひ気に留めておいてください。
- 「ハズバンダリートレーニング」のキーワードで探す
- トレーナーを探してからハズバンダリートレーニングを受けられるか聞いてみる↓↓↓
R+LINKSから探す (サロンも探せます)
資格で探す▶︎CPDT-KA、KPA-CTP、JDBA、Fear Free Professional認定などを持つトレーナーさんはハズバンダリートレーニングに対応してくださる可能性が高いです。
お近くでなくてもリモートで対応してくださる方もいます。
ハズバンダリートレーニングを行うことは技術面などで難しいが、少しでもストレス軽減をさせてあげたいという事で「もぐもぐトリミング」を行っているサロンもあります。
詳しくはもぐトリ公式インスタグラムへ
静岡県のトリミングサロン・ホテルのnapさんでは、ハズバンダリートレーニングを受ける事ができます。お近くの方はぜひチェックしてみてください。
詳しくはnapさんwebサイトへ
日本で初めて、ハズバンダリートレーニングを学べるグルーマー・トレーナー養成学校ができたとのこと!
これからグルーマー、トレーナーを見ざしたい方におすすめの学校だと思います。
詳しくはADGSさんwebサイトへ
スポンサーリンク
お家でできるハズバンダリートレーニング
頼れるプロを見つけられない、自分でやってみたいという場合は、こちらを参考になさってみてください。
基本の考え方
まずはハズバンダリートレーニングの考え方を見てみましょう。
いつでも逃げられる環境で、続けるかやめるかの判断を犬に委ねる
褒め言葉またはクリッカーとご褒美(強化子)を使い日数をかけて、自発的な協力体勢を教えていく
叱り言葉や罰は使わない
爪切りや体のケアなど、犬が嫌がりそうなことをスモールステップで進行していき平気を目指す
犬は何が起こるかわからない恐怖、不安、嫌悪感を予測すると協力してくれません。
これがいわゆる「犬が飼い主の言うことをきかない」と言われる状況です。ヒトから見ると「問題行動」に見えますが、犬は身を守っているだけなので正常な行動なんですね。
それでも無理やり抑えつけると犬は身の危険を感じ、さらに身を守る為に「暴れる」「威嚇」「噛む」などの行動が出るかもしれません。
犬の選択の自由を奪わないことは、信頼関係を構築する上でも重要です。
なぜ罰をつかってはいけないのかについてはこちらをどうぞ▼
具体的なハズバンダリートレーニングのやり方【爪切り編】
では爪切りの例でやり方を見てみましょう♪
準備
まずはお礼(強化子)に使う食べ物を用意します。ここではトリーツと呼びます。
たくさん使うので肥満防止として小さく切れるものや、細かく砕けるものが良いでしょう。
実践!
- 犬から離れたところで準備をし、犬がそばにきた→トリーツ
- 道具を見せて→トリーツ
- 前足を持って→トリーツ
- 前足をにぎにぎして→トリーツ
- 爪切りを前足にあてて→トリーツ
- 爪切りで爪を挟むだけ→トリーツ
- 爪の近くで乾燥パスタや蕎麦を切って音を紹介する→トリーツ
- 爪を少しだけ切ってみて→トリーツ
ストレスサインが出ていないか見ながら一つのステップを複数回ずつ繰り返して、すこ〜しづつのスモールステップで進めていきます。
- はやくできる様になろうとしなくてOKです。急がず焦らずやりましょう。
- 急ぐとどうしても力が入ってしまい、犬に恐怖心や嫌悪感を与えてしまいます。
- 犬をよく観察しながら、無理せず自分たちのペースで進めましょう。
- ストレスサインを見るためにボディランゲージを学んでおきましょう。
初日は爪を切るところまで到達できなくてもOK。
切れるところまで辿り着いたら1本だけ切って褒めておしまいにし、翌日は1〜2本切るというペースで慣らしていくのがおすすめ!
自宅での爪切りに関してはこちらの記事もどうぞ!
普段の生活に活かせるハズバンダリー
ハズバンダリートレーニングは爪切りにとどまらず、様々なことに応用できます。
例えば…
- 首輪やハーネスをつける
- 散歩おわりに足裏を拭く
- ブラッシングやバリカン
- 歯磨きをする
- 目薬をさす
- 耳掃除
- 保定
私と楓はこれらのほとんどをハズバンダリーを用いて積み上げてきました。
当時は噛まれるからハズバンダリートレーニングでやろう位に思っていましたが、今ではお互いのストレスを軽減し、楓の意思を尊重し、なんでもどうってことないよね!にさせてあげたいために取り入れています。
ハズバンダリートレーニングは一見難しそうに見えるかもしれませんが、正しくやり方を学べば嫌がらせないで行うので案外スルスルと慣れてくれます。
時間がかかると思うかもしれませんが、結局は毎日×短時間×スモールステップが一番の近道だったりします。
また一度できる様になった事でもなんらかのきっかけで嫌になってしまい、できなくなる事もあります。
そういう時は気落ちせず、また最初から根気よくやっていきましょう。
矯正系や支配系のトレーナーの中には、「犬を長時間頑張らすのはかわいそう。びしっと叱って我慢させて短時間で終わらせた方が福祉的!」なんて言うヒトもいます。
ハズバンダリートレーニングで頑張るのは犬ではありません。犬に頑張らせない様にヒトが勉強して行うやり方です。
叱って従わせ犬が嫌がるケアなどを我慢させて行う事が福祉的な訳がありません。
ちなみに海外では…
ハズバンダリートレーニングからCooperative Care(協調ケア)に移行しています。
Youtubeで検索する場合、ハズバンダリートレーニングはカタカナでもヒットしますがCooperative Careは英語で検索してみてください。
それでは、よい犬暮らしを!