正しい知識を更新しよう動物行動学おすすめ本まとめ2
いつもご観覧いただきありがとうございます。この記事では前回紹介しきれなかったおすすめ本をまとめていこうと思います。
前回の記事はこちら↓
犬は愛である 最良の友の科学
著者はアリゾナ州立大学イヌ科学共同研究所創設者で、100本以上の論文を発表している事でも有名なクライヴ・ウィン(ワイン)。
こちらは2021年発行された本で、2022年にも「犬はなぜ愛してくれるのか」が発行されていますが原題が「Dog is Love」なのでおそらく同じ内容なのかな?と思います。
さまざまな実験を通して、犬と狼を分けるものは何なのか、また犬の人懐こさとは何なのか?愛着って?など私たち犬好き人間が知りたかった事がたくさん載っています。
麻布大学・菊水先生チームのオキシトシンの研究
犬と狼の違いや、犬と他の種を分けているものとは
現代でも犬と共に狩りをするヤマングナ族のレポ
多種族にも愛情のこもったふれあいをする犬の持つ遺伝子とは?
などなど、盛りだくさんの内容です!
私たち罰を使わないかいぬし的には、MRIの中でじっとする行動を正の強化のトレーニングで可能にしたという場面ではですよね〜!ってなります。
全体的にとても面白いのですが、特に 第7章イヌをもっと幸せに は必見。
しつけ業界で「ドミナント」が間違った形で使われ、そのせいで科学的でないトレーナーが人間が群れのリーダーにならなければいけないという理屈を広め、結果犬達はいわれのない汚名を着せられスリップリードで力ずくに操られたりチョークチェーンで苦しめられたりしているという事が書かれています。
犬達は、本当は親しみ深いやりとりを求めているのに!
科学が犬に追いついて来た感あるよね〜
犬が愛だって、ついにバレたか〜!
あなたの犬を世界でいちばん幸せにする方法
やった〜〜〜〜〜!!!!!!!日本語版の出版おめでとうございます!!!!!
これもめちゃくちゃおすすめです!
英語版の表紙はバーニーズなんだよ〜
原書はこのブログでも過去に紹介した英語版「Wag」、著者は心理学博士で動物行動学者で人類動物学非常勤教授のザジー・トッド博士。
この本は2020年に出版されカナダでベストセラーとなり、全米犬作家協会のMAX WELLメダルを受賞しています。
犬と幸せに暮らすための参考書の最新版と思ってください。
犬と暮らしている人やプロの方はもちろんですが、これから犬を迎えたいと思っている人にも是非読んで欲しい!
本書では現代での犬暮らしに必要となりそうな知識を、科学的なエビデンスと共にわかりやすく網羅しています。
- ハッピードッグってどんな犬?
- 幸福度が上がるトレーニングとは?
- エンリッチメントの重要性について
- 恐怖など問題へのヒント
- などなど
他にも、必ず役立つ内容が盛りだくさんです。ゆりかごから最期までをカバーしています。
この本を読み終える頃には、
犬という生き物をより一層理解できる様になる
愛犬に対してもっと優しく、頼れる保護者になれる
ネット上の情報の中から、正しいものを選べる様になる
プロに頼る時、優しいプロを選べる様になる
など嬉しいことがたくさん待っていると思います。
この本には猫版もあります!もちろんおすすめ!
CANINE ENRICHMENT FOR THE REAL WORLD
↑の「あなたの犬を世界でいちばん幸せにする方法」「Wag」を読んだ後に読む本としておすすめなのがこのエンリッチメントについて書かれた本です。
著者はCPDT-KAトレーナーでCDBC行動コンサルタント(日本でいうドッグビヘイビアリストの様な位置付け/海外のビヘイビアリストは行動学者や獣医で行動も看れる認可者の意味合いがあるため、トレーナー業で然るべき教育機関から認可された方はコンサルタントと呼ばれる/シーザー氏セミナー生徒のビヘイビアリストは知識が足りないため自称の扱いとなる)のAllie BenderとEmily Strong。
ただ残念な事に英語本です。スマホの翻訳アプリでもある程度読めますが、専門用語の英単語がわかる事と、翻訳アプリがする翻訳ミスに気づける英語力があるとより読みやすいと思います。
カナダにお住まいの方はAmazonで買えます。
今一番翻訳版が出てほしい本!日本に必要な本です!
英語本なんですけど、犬に優しい生活とは具体的にどうすれば良いのか?犬が求めているものとは何なのか?ニーズを満たすために実行するには?がわかる本なので、本当におすすめです。
科学的な根拠のある優しい犬育ての第一線で活躍しているケン・ラミレスやパトリシア・マッコーネル、スーザン・G・フリードマン博士もこの本をすすめるレビューを書いています。
製品説明レビューより引用
- 「…この本は、犬のニーズを満たすことに総合的に焦点をあてており、全体論的、科学的、実用的、率直、そしてわかりやすい方法で書かれています。私はこの本が大好きです!」 — ケン・ラミレス
- 「Canine Enrichment は、犬が本当に必要としているもの、そしてそれをどのように提供できるかについて深く掘り下げています。これは、「犬には運動が必要」という一般的な表面的な考えを超えたい犬愛好家にとって素晴らしい本です。 — パトリシア・マッコーネル
- 「この本の範囲は野心的で、著者はエンリッチメントという主題を深く、関連性を持ってナビゲートし、その目的を果たしています。」 — スーザン・G・フリードマン
エンリッチメントについてはこのブログでも紹介していますのでもしよければどうぞ。SNSでは#犬満たし タグで様々なアイデアを見る事ができます。
またこの本はエンリッチメントに焦点を当てていますが、行動学的側面と動物福祉や倫理的なトレーニングについても深く理解できる様に書かれています。
- エンリッチメントについてもっと知りたい、自分のやり方が合っているのか不安だ
- うちの犬に合ったエンリッチメントプランを立てたい
- 罰を使うトレーニングを習っているが、褒める方法に転向したい
- 褒めるトレーニングに限界を感じている、やはり罰は必要だと思う
- すべての犬の保護者、これから犬を迎えたい
行動学的な側面では、犬業界に間違って広まってしまったドミナンスについての誤解をとてもわかりやすく解説されていて、正しく理解・説明ができる様になります。
みんなが知りたい事てんこ盛りです
- 犬に選択肢をってどういうこと
- 犬の主体性がなぜ大切なのか
- レジリエンス(回復力)を育むには
- 犬にとっての安心安全とは
- 保護施設でのエンリッチメントテクニック
- プロが知るべき行動変容介入のためのヒューマンヒエラルキーの階層
私がもしプロのトレーナーに依頼をするなら、この本の内容を理解できている方がいいです。
かいぬしさんはもちろん、日本のプロに読んで欲しいです。日本のしつけ本でフリードマン博士のヒューマンヒエラルキーの階層図が載っている本はあるのでしょうか(あったら読みたいので教えてください)
この本は行動学の内容も記しつつも、より実践的な犬育てまで網羅した本ですが、ぜひTodd博士の本の後に読んでいただきたいので行動学本紹介の記事内で紹介しました。
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Dog Knows learning how to learn from dogs
この本は全てのかいぬしさんと、犬業界プロ全員が読んだ方がいい。まじで。
日本でよくある犬の育て方の本やしつけ本を3冊読むくらいならこの1冊をスマホで翻訳して読んだ方がいいとすら思います。
2026年時点でもスマホ翻訳は時々かなりおかしいので、基本的な英語力や動物行動学の単語がある程度分かった方がいいですが…
英語本ですが↑で紹介したエンリッチメント本よりも優しい英語で助かりました。
著者は動物行動学者でマイオセラピストのSindhoor pangal。インドのストリートドッグ(ストリーティと呼ぶ)を観察研究されています。
内容はShindhoor氏の犬との歩みや時には衝撃的な事故や人生の苦悩、トゥリド・ルガース氏に学んだ事、科学的エビデンスのあるエッセイを交えて進んで行くので、最後まで興味深く読みやすくなっています。
世の犬の7割はペットではなく、村や道などで生きていると言われています。
ストリートドッグやヴィレッジドッグ達は、ペットドッグと違って「誰がボスかをわからせる威圧的でめちゃくちゃなしつけ」に支配されずに「自分達のコミュニケーション能力と学びによって」地域のヒトや犬や動物とうまくやっています。
トレーナーが犬を操作してきた経験から言う「犬とはこういう動物」「犬の心理」よりも自由に生きる犬達自身から犬という生き物を学びたい人、また元野犬のかいぬしさんにもおすすめ!
「シンドゥール氏が提示するアプローチは、市場に出回っている他の犬に関する書籍とは明らかに異なり、明確で分かりやすいメッセージを発信しています。この本は、世界が動物に対してより倫理的で寛容な見方をするようになり、動物の幸福に焦点を当てるようになったという、時代の変化を反映しています。これは、従来の犬の訓練法ではしばしば欠けている点です。」
–トゥリッド・ルガース 欧州ペットドッグトレーナー協会会長犬の行動学者兼著者
Dogknows公式サイトより引用
「私たちは犬という複雑な生き物を完全に理解する事はできない。自分の限界を受け入れ、謙虚に彼らを理解する姿勢が大切」というShindoor氏の考え方が大好きです。
本書を読むと本来の犬の姿が見えてきます。
日本ではドッグトレーナーに「犬は巣穴の動物。狭いところが安心するからクレートで寝かせたほうがよい」「落ち着いて安心するまで泣いても出すな」と言われていますが、
- 犬は典型的な巣穴動物ではない
- 自由に暮らす犬の中には車の下やテーブルの下など、巣穴の様な環境を好む個体もいる
- 多くはベッド、高い場所、仲間がいる開けた場所を好む
- 自由に暮らす犬は巣穴をあまり利用せず、自由に出入りできる場合に限って利用する
- 著者の飼い犬を対象にした睡眠の研究でも、自由な環境では睡眠の合間に移動する
- 質の良い睡眠を求めて睡眠の合間に移動することで、寝床の表面を体温調節に利用している
生き物が閉じ込められて感じるのは本来、安全ではなく命の危機です。泣いても出さない事で得られる落ち着きと安心はありません。犬が学習するのは人間への不信感、誰も助けてくれない事、学習性無力感で、それはしばしば落ち着いた様に見えます。
日本の様な災害大国ではクレートでの避難生活に備える為にクレートトレーニングが必要ですが、鳴いても出さないなどの方法ではストレスを増加させ肝心の避難生活を耐えられない可能性があります。
クレートトレーニングは罰や強制を使わないトレーナーに習って、穏やかな方法で行いましょう。
ヒトと犬の絆とは本来どういったものなのか、犬の平和的紛争解決方法がいかに人間から誤解されているか、自己選択がどれだけ大切か、などそれはもう大切な話ばかりです。
しっかり躾する事ばかり持て囃される現代で、大切な事を見失っている気がする、なんかもやもやするなら是非読んでみてほしいです!
Shindoor氏のTEDはこちら。犬達はもちろん、馬のボディランゲージも出てくるのでおすすめ。
この記事は追記していきます
また読んだらこの記事に追記していきますので、よろしくお願いしますね!
それでは、よい犬暮らしを!





本の選び方や、注意点なども↑ の記事にまとめてあります。