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お散歩中に知らない犬と挨拶させなくて良い理由&上手なスルーのヒント

お散歩中は基本挨拶NG,上手なスルーの練習法
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前回の記事でも少し触れましたが、今回はお散歩中のよその犬との挨拶に関する危機管理についてまとめようと思います。

この記事は

すべての飼い主さんへ。

  • リード下での初めましては危ないよ〜
  • 散歩中の挨拶て必要?
  • 上手にスルーするためのヒントは?

というお話です。

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お散歩中の挨拶が基本NGなワケ

挨拶する2匹の犬

お散歩中に知らない犬と挨拶させたら喧嘩になった、噛まれてしまったなど悲しい事故が多く起きています。

かなり慣れている仲良し同士ならいいのですが、知らない犬同士は近づかないのが安全です。

挨拶NGにはこんな理由があります
  • 知らない犬同士、リードに繋がれている状態での挨拶は危険度が高い
  • うちの子はフレンドリーだから大丈夫!は人間の思い込み
  • 犬が望ましくない行動を学んでしまう事が多い
  • オンリードで挨拶させる必要はない

ひとつずつみていきましょう▼

知らない犬同士のリード下での挨拶は危険度が高い

広ーいドッグランであれば立ち去る事ができますが、リードに繋がれていると逃げる事ができません

▶︎その為犬は自分やかいぬしさんを守ろうとして追い払う行動(攻撃を含む可能性あり)に出ることがあります。

リードの張りが緊張感を高めてしまう

▶︎相手をはやく確かめたくて、かいぬしさんを引っ張って突進してくる犬もいますね。

真正面から突進するというのは犬界ではとても失礼で威圧的、危険な行為なため、それだけでも緊張感が高まるのですが、リードが張っている事も犬の興奮と緊張を高めてしまいます。

なにかあったらすぐに離そうと思ってお互いにリードを短く張った状態で匂いを嗅ぎあう…人間にはうまく挨拶できている様に見えますが、実は最も緊張感が高まるシーンです。

なにかあったらすぐリードを引いて離そうと思って、では遅い

▶︎なにかあったら…の「なにか」は人間にはわかりずらいものです。

犬同士の「なにか」は1秒で変化する為、匂いを嗅ぎ合っていた次の瞬間にはガチ喧嘩になっていた、なんてことも起こります。

「あやしいと思ったらリードを引いて離す」では間に合いませんし、このリードを引く行為が開戦のゴングになることもあります。

あやしい雰囲気になってからリードを引いて犬を動かすのでは間に合いません。

片方または両方の犬がストレスサインを出したらすぐに人間がサッと間に入って遮り、その後速やかに去りましょう。そのためにボディランゲージを学びましょう。

そしてあやしい雰囲気にならない為に、お互い近寄らない事が一番です。

うちの子はフレンドリーはあてにならない

かいぬしさんも人それぞれなので、「うちの子」のどういったところを見て「フレンドリーだ」と解釈しているかわかりません。

相手のカーミングシグナルを無視して噛みつきそうに揉み合っているのを「仲良くガウガウ遊んでいる」と思っているかもしれませんし、「うちの子」の乱暴な対応を見て「犬とはそういうもの」という考えになっているかもしれません。

その「うちの子」も先輩犬からガウガウする対応しか学んでいない場合、かいぬしさんもまたそういった光景しか見ていないので、無理もありません。

かいぬしさんによって「犬のフレンドリーさ」の解釈がかなり違うという事です。

またいつも紳士的に振る舞っている犬も、絶対に噛みつかないという保証はありません。

犬が望ましくない行動を学んでしまうパターン例

リードつきで挨拶させた事によって、犬がよくないマナーを学んでしまうことも。

犬と会うのがストレスの犬の場合

犬同士を近づけると(リードで逃げられないため)唸る・吠える

挨拶できないので中断する(相手が去る)

唸った・吠えたら相手がいなくなって安心した!(成功体験・強化子)

よその犬に対して唸る・吠えるを繰り返す

犬と会うのが嬉しい犬の場合

犬同士を近づけると興奮してリードが張れる・かいぬしさんを引っ張って突進する・吠える

騒ぎながら相手に近づけて嬉しかった!(成功体験・強化子)

よその犬に対して興奮する・騒ぐ・リードを引っ張るを繰り返す

犬は模範(真似っこ)で学ぶ事ができる生き物です。成犬でもそうですが、子犬を社会化させたいという理由で↑このパターンができあがった犬に近づけてしまうと、子犬も望ましくない行動を学んでしまう事があります。

カーミングシグナルを出せる温和な成犬と触れ合えると、子犬も良いマナーを学ぶ事ができます

※長くなるのでカーミングシグナルについてはまた記事にしようと思います!

散歩中に知らない犬に挨拶させる必要はない

犬は散歩中に誰かが残した匂いを嗅いだり、自分の匂いを残したりしてコミュニケーションをしているので、散歩中に知らない犬と挨拶させなかったからといって交流不足という訳ではないんですね。

好奇心から近づいて相手を確かめたい!とグイグイ行きたがる犬もいますが、鼻も耳も人間より優れているので、近づかなくても相手の事を識別できるそうです。

むしろグイグイ行かせて興奮状態にさせるよりも、遠くから「あ、またあいついるな〜。ふうん。」位の認識で穏やかに歩けた方が平和で良いと思います。

犬同士の自由な触れ合いは十分な広さのドッグランや、知っている犬同士での挨拶で行いましょう。わざわざ危険度の高いリードつき・知らない犬同士の挨拶しなくても良いという事です。

散歩中は犬同士よりも、かいぬしさんと犬とのコミュニケーションを楽しみましょう

もし挨拶を断りきれなかったらこう動く

犬だけならいいですが、相手のかいぬしさんあっての事なので、自分達は乗り気じゃなくても断りきれずに挨拶させてしまう事もありますよね。

私もうまく断れない方なので、あれよあれよと言ううちに近づかれてしまう事があります。

あっという間にフレキシブルリードでびゅーんと近づかれる事もありますよね。

そういう時はさりげなく相手の犬と自分の犬の間に立つ(強めのカーミングシグナル)様にして、自分の犬を守りましょう。

抱き上げるのは相手の犬を刺激してしまう場合もあるので、相手が近づいてから抱き上げるのは危険。抱きあげて去りたい場合は相手が遠くにいる時点で。

自分の犬を守りながら、なにかしら理由をつけたり上手に嘘をついたりして早めに退散できるといいですね。

ちなみにトロントでは

かいぬしさんと目が合ってしまうとCan I say Hi〜?と来てしまうので、自分の犬が匂いを嗅いでいて立ち止まっている時などに向こうから犬連れが来たな〜という時は犬を守る様に間に立って背中を向けます。

楓も地面を嗅いでやりすごすので、今匂い嗅いでるから、素通りしてねという感じを醸し出します。

こちらがあちらに注目しなければ素通りしてくれる人がほとんどなので助かってます。

かいぬし同士が挨拶さえすれば大丈夫?

握手する飼い主と怪訝な犬

本やメディアの中には「犬を挨拶させたい場合はまずはかいぬしさんに許可をとりましょう」や

「最初にかいぬしさん同士が挨拶をして犬に敵ではないと理解させましょう」など、

【かいぬしさん同士が仲良くしているところを見せれば挨拶させても良い】とうたう物もありますが、本当に大丈夫でしょうか。

かいぬし同士が挨拶したら大丈夫!ではない

大丈夫とは限らない
  • 人間同士と犬同士の仲の良さは別物
  • 「めんどくさいな」「話しかけないで欲しいな」「大丈夫かな」と思いながらの挨拶は、気を使う緊張や不安が犬にも伝わる
  • どうしてもかいぬしさん同士の気の使い合いになってしまうので、犬のことを100%見れなくなる

かいぬし同士が挨拶するのは人間界のルールとしては当然ですが、「人間が許しあえば犬も当然大丈夫」にはならないと思います。かいぬし同士が挨拶すれば大丈夫なんて…ちょっと短絡的すぎますね。

犬を感情のない下僕かなにかと思ってるんでしょうか(言い過ぎ)

犬にも感情や犬界の付き合い方がありますから、かいぬし同士が挨拶したら絶対それに従います!なんて事はないんですよね。

犬同士の挨拶をさせるかは、自分の犬と相手の犬のボディランゲージを見て判断するべきです。

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上手なスルーのためのヒント

散歩中の子犬

社会性のある犬とかいぬしは上手にスルーができる

犬同士わちゃわちゃと揉み合う遊びの様な挨拶ができる事が社交的と見られがちですが、実は本当に社会性の育った犬は落ち着いてスルーをします。

スルーの現場は様々ですがこんな感じです▼

紳士的なスルーの例
  • 目線を背けたり弧を描いて近づいて、ちょっとお互い匂いを嗅いでさよなら
  • 知らない犬が来たら地面の匂いを嗅いでやりすごす
  • あなたに興味ありませんという様な態度

目線を外す、弧を描いて近く、地面を嗅ぐなどは「敵意はありませんよ」というカーミングシグナルです。

自分の犬がこの様な「事を荒立てない態度」を取るなら、それはとても平和的で紳士的な成犬という事なので喜んでください!

「うちの犬は他の犬とちっとも遊ばない…」と気に病む必要はありません。わちゃわちゃ遊びは歳を重ねると自然と減ってきますし、心配しなくても若いうちはランなどで仲の良い犬と遊ぶ姿を見せてくれるでしょう。

上手にスルーした犬を「挨拶ができない」と勘違いして、「挨拶しなさい!」と犬が逃げない様に抑えたり、「遊びなさい」とリードを引いて相手に近づけたりするのは、絶対NGです。

犬がせっかく社会的に振る舞っているのですから、かいぬしさんも社会的なスルーを身につけましょう。

上手なスルーのためにかいぬしがやる事

もしあなたの犬が誰かれかまわずあなたをグイグイ引っ張って挨拶に行きたいタイプでも、毎回散歩のたびにスルーを練習していく事で以前の行動は消えていきますので、大丈夫です。

人間の目には喜んで挨拶しに行っている様に見えても、「向こうから来られるのが怖いからこっちから行く」みたいな感じで挨拶しに行く犬もいますので、やはりどんな犬でもスルーを覚える事はおすすめです。

道の向こう側などへ距離を取れる場合

「カム」や「渡るよ」などと声をかけ、犬がついてきたら褒めます。もちろん「名前を呼ぶ」もOK。

この時、指2本程度の力で少しリードを引くのは合図になりますが(首輪は×・ハーネスであること)、強く引くジャークやポップは犬の体に負担がかかるので良くありません。言葉で来てくれる様に普段から練習しましょう。

トリーツは「ついてきてくれた事」に対してのお礼なので歩きながらあげ、お座りを挟む必要はありません。

お座りを挟むと「座った事」へのお礼になってしまう場合があります。

距離を取れなくてすれ違う場合

向こうから犬が来たら歩くペースを少し落として道の端に寄る。

この時犬に道の端側を歩かせ、「ヒール(ついてきてね)」をしてもらいます。ハンドターゲットも使えますよ。

かいぬしさんは自分の犬と相手の犬の間側を歩く様にします。

犬が地面や電柱の匂いを嗅いで立ち止まる場合(カーミングシグナル)はそのまま匂いを嗅がせましょう。かいぬしさんは自分の犬を守る壁になればOK!

落ち着いてやり過ごせたら褒めます。

or

犬が反応してしまったら「大丈夫だよ」など声をかけたりして、かいぬしさんに注目してくれたら褒めます。

アイコンタクトやハンドターゲットでやり過ごしたり、無理そうならトリーツで誘導してもかまいません。避けられるスペースがあればそちらへトリーツを投げ、拾って食べさせるのも◎。

スルーの練習での褒め方は、犬を興奮させない様に静かにgoodやいい子と声かけ(行動をマークする)▶︎続いてトリーツ(強化子)です。

繰り返す事で「散歩中によその犬を見たら興奮する・グイグイ行く」から「スルーできたら良いことがある」「スルーが普通」に変化していくでしょう。

おやつで誘導するのは賛否分かれるかもしれませんが、安全にスルーできればそれでいいので、「よその犬が来たらおやつを貰えて、もぐもぐしながら歩いているうちにいつの間にかすれ違っている」▶︎「よその犬よりもおやつ!」というゴールで十分だと思います。

もし相手の犬をロックオンして興奮してしまう場合は犬の前に立って視線を遮断し、落ち着いたら静かに褒めておやつもぐもぐを。

ロックオンの対処法についてはこちらでも書いてます▼

お散歩中の危険予測と吠えやダッシュに対処方法
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「挨拶できない状況」を体験させる事は一見ネガティブに見えるかもしれませんが、喧嘩になって被害者/加害者になるより100倍マシです。

かいぬしさんに褒められて美味しいものを食べる事によってポジティブな体験に変えていけます。

また挨拶ができるかどうかの判断をするためには、ボディランゲージを学ぶ必要があります。

長くなりましたが、今回は散歩中のご挨拶NGの理由と上手なスルーのヒントについてまとめました。

なかなか大変かもしれませんが、なんとかやっていきましょうね。

それでは、よい犬暮らしを!

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