- 犬が思う様に歩いてくれない
- 匂い嗅いでばっかりで進まない
などで困っているかいぬしさんへ。
むしろ思う存分嗅がせてあげるといいです!というお話です。
お散歩中の匂い嗅ぎはメリットがたくさん!
速いペースでとにかく長い距離を歩かせなければいけない
主従関係を作る良い機会として、常にリーダーウォーク(脚足行進)をさせなければいけない
ご主人様のおともに連れて行くくらいの気持ちでよい
こんな都市伝説がまことしやかに伝承されていますが、これらは人間が人間の都合や間違った知識の上に勝手に考え出したもので、実は犬の為にはなりません。
知識を更新していない訓練士やトレーナーもいるので、そういう方のSNSや指導を受けてしまうと、犬が匂いを嗅ごうとして立ち止まる事を許せなくなってしまいます。
散歩中の匂い嗅ぎは、待つ事ができる場所なら待ってあげましょう!
散歩中の匂い嗅ぎは、思う存分させてあげた方が犬にもかいぬしさんにも嬉しい結果となります
お散歩中に匂い嗅ぎさせると良い理由にはこのようなものがあります▼
- 犬のストレスを下げ、気分を良くする
- 犬をより疲れさせる
- コミュニケーションを穏便に
それでは順番にくわしく見てみましょう〜
メリット1▶︎犬のストレスを下げ、気分を良くする
フランスで犬の散歩中の行動と脈拍数に関するリサーチが行われました。
年齢・サイズ・性別・気質・生活様式が多種多様な61頭の犬。
- 犬は長いリードの時ほど、匂い嗅ぎに時間を使う
- 匂い嗅ぎによって脈拍数が低下する
- 匂い嗅ぎに夢中になるほど脈拍数が低下する
- 脈拍数の低下から、犬のストレスレベルを下げている可能性を示している
また、2019年にApplied Animal Behaviour Science Journalに掲載された研究によると、充分な匂い嗅ぎは犬の楽観主義を高め、犬の福祉に貢献するとあります。
参照:Let me sniff! Nosework induces positive judgment bias in pet dogs
メリット2▶︎犬をより疲れさせる
集中してできる匂い嗅ぎは、程よい脳の疲れをもたらします。
早いペースで長い距離を歩くよりも、たとえ短い距離でも満足いくまで匂い嗅ぎして歩く方が犬は疲れるそうです。
実際うちの楓は匂い嗅ぎまくりの散歩のあと、すぐに昼寝しています。
メリット3▶︎コミュニケーションを平和に
犬は地面や壁、電柱にかけられたおしっこや、うんちの匂いを嗅いで相手の性別・知っている犬か・近くにいるかどうか…etcなど、様々な情報を得ています。
自分も外に匂いを残す事で、情報を提供しています。
犬は犬同士の情報交換のために匂いを必要としているんですね。
しかし散歩中に知らない犬同士でいきなりご挨拶をしてお尻の匂いを嗅ぎあうのは多くの犬にとってプレッシャーであり、とても緊張感が高まる行為です。
ご挨拶させようとしたら喧嘩になったり、咬傷事故が起きてしまう事も。詳しくはこちら▼
(内向型でコミュ障の私は人間もそうなればいいのに…と思っているとかいないとか)
スポンサーリンク
ゆるウォークで匂いを嗅ぎながら歩こう
長めのリードでゆっくり歩きながら
よく3mリードがいいよと言われていますが、市町村でリードの長さが定められている場合もありますので、その場合はその規程内ギリギリのリードを購入したらいいじゃない。
- 他者が近くにいない安全を確認し、リードをたるませて歩く
- リードは張らない様・地面に引きずらない様に手元でコントロール
- 他者が近くにいる場所では「ヒール(ついてきてね)」
- 犬が匂いを嗅ぐ時は待ってあげる
- 急がずゆっくり時間をかけてOK
- 距離よりも犬に付き合うことを重視
長めのリードで匂い嗅ぎしながら歩くとお散歩の満足度が上がり、不思議と引っ張りも少なくなります。
引っ張らなければ前を歩いてもOK・ゆるいリードで歩く事を私は「ゆるウォーク」と呼んでいます。
ゆるウォークの詳しいやり方や考え方はこちらの記事でどうぞ▼
家を出てすぐに交通量の多い道路だから匂い嗅ぎさせられないという方は、散歩コースの途中で匂い嗅ぎしても良い場所に立ち寄るといいですよ。
探索と運動を楽しもう
ゆっくり匂い嗅ぎながら歩いて、そんなんで運動になるの?と思いますよね。
- 散歩▶︎情報のやりとり、探索、コミュニケーション、エンリッチメント
- 自由運動▶︎体の運動、ヒトやお友達とのアクティビティ、エンリッチメント
と考え、運動は
自由運動で補う
散歩中に早歩きや一緒に走ったり、傾斜の上り下りなどをプラス
でうまいこと筋肉を使いましょう。
とはいえ「メリット2」でも書いた様に、鼻を使って匂い嗅ぎを十分にさせる事で犬はけっこう疲れます。
安全な場所では犬に任せて匂いを探索したり、一緒に走ったりする事でかいぬしも健康的にリフレッシュできますし、元々の犬の姿を味わう事ができます。幸せ!
エンリッチメントについてはこちら▼
嗅がせてはいけないもの
現代では犬に嗅がせてはいけない危険なものが存在しますので、気をつけましょう。
- 車庫、駐車場、車が駐車できる路肩の地面のシミ・液体
- 農薬が散布されていつ場所
- 落ちている食べ物
車の不凍液やウォッシャー液は犬猫にとっては劇薬です。
不凍液の成分エチレングリコールは小型犬ではスプーン2杯で致死量、ウォッシャー液に含まれるメタノールには失明や意識消失の危険性があります。
嗅いでからバクっといくまでがめちゃくちゃ早いので、嗅いでしまったらほぼ口に入れてしまうと思いましょう。
落ちている食べ物は拾い食いしそうなのでダメなのですが、拾い食いを阻止するには犬より先に見つけて避ける・「ドロップ」「出して」などおやつと交換してもらうしかありません。
だけど一度口に入れたものは犬のものです。犬が口に入れてしまう前に見つけて避けられるといいですね。
- 匂い嗅ぎの時▶︎落ち着いてフンフンしている
- 拾い食いの前▶︎動きがせわしなくなり、嗅ぎ方も範囲が広く激しくなる
拾い食いの前は明らかに食べ物を探して嗅ぎ方が激しくなります。すぐに声かけをしてその場を離れましょう。
そのためには普段から「名前を呼ばれたら良いことがある」や「おいで」などの声かけについていったら良いことがある!というやりとりを積み上げて行く事が大切だと思います。
そんな感じで、今回は散歩中の匂い嗅ぎについてまとめました。
毎日のお散歩で思う存分に匂い嗅ぎさせて、犬のQOLをあげていきましょう!
それでは、よい犬暮らしを!