ハーネスすっぽ抜けを防ごう【対策とスキル】
いつもご観覧いただきありがとうございます。今回は犬の快適さのためにハーネスにしたいよ、でも抜けるのが怖いよという方のためにヒント集を書いてみようと思います。
抜けるって言われたから怖くて
対策とスキルで安全性を上げましょう〜
ハーネスはなぜ抜けるのか?

たいていは犬が何かに不安を感じたり怖くてエビみたいに後退りした時や、そっちは行きたくない〜と進行拒否した時に、人間がリーシュを引っ張ってしまう事で抜けます。
これをやると首輪でも抜けます。ハーネスだから抜けるわけではないんですね。
- 犬の後退り+人間が引っ張る
- ハーネスのサイズや調整が合っていない
- 犬の苦手なもの・反応する閾値を人間が知らない
- 人間のリーシュスキル
こんな感じで根本にはさまざまな原因があると思います。
そこに、ハーネスが抜けたらいい事があった!の経験があるとハーネスを抜く強い動機になってしまいます。→体をくねらせながらジャンプしたり素早く後退りするなど、ハーネスを抜く技が熟練する可能性も。
犬をエスケープアーティストにしてしまわない様に、多角的に考える必要があるわけですね。
いろいろが絡み合ってるわんね
ハーネス抜け対策と対処と必要なスキル一覧
やることが多い!と思うかもしれませんが一覧はこんな感じ。
- しっかり調整する、抜けにくいハーネスに変える
- セーフティコネクターをつける
- エスケープアーティストの原因を探る
- 人間のリーシュスキルと寛容さを見直す
- 呼び戻しCueを強くしておく
- 犬が逃げない犬育てをする
…子育てと同じく犬育てはやる事が多いものです。安心安全の為にやっていきましょう。
ひとつずつ見ていきましょう↓
しっかり調整、又はハーネスを変える

定期的に調整をチェックしよう
指2本ルール▶︎キツすぎず緩すぎずの目安として、指2本が入る程度というものがあります。
成長・太ったり痩せたり・夏毛冬毛の違いでハーネスが緩くなる事があります。
すぐサイズが変わるからとケチって子犬にブカブカサイズのハーネスをつけるのは危険です。子犬だからこそ、よくフィットした快適なハーネスをつけましょう。
引っ張る犬の場合は特に、バックルが破損しそうになっていないか、切れそうな部分はないか定期的に調べましょう。
抜けにくいハーネスに買い替える
抜けやすいタイプのハーネスを使っている場合は、抜けにくいものに買い替えてしまいましょう。
ユリウスK9の頭からかぶるタイプは抜けやすい作りになっています。海外では引っ張り軽減ハーネスとして有名なこのタイプは、前脚の動きを抑え込む作りになっている為犬が不快に感じてしまい、抜けた時の開☆放☆感が強い強化子になる場合も。
犬の動きを抑えるタイプではなく、犬の動きを阻害せず動いても肩や脇の下が痛くないハーネスを選ぶのがおすすめ。
こちらも参考にどうぞ▼
抜けにくいハーネスとして有名なのは3カ所留めの物です。細いタイプやサイトハウンドにも。
↑こちらは信頼の厚いラフウェア。フラッグラインのほか、ウェブマスターも三カ所留めです。
↑ペルロスのドピアッカは三カ所留め+胸が深い犬に最適な胸部X型です。
身体的な理由などでハーネスをつけられず、首輪も抜けるという場合は、マーチンゲールカラーがあります。
↑マーチンゲールカラーはこういった内側がクッションになっているものや、幅が広い物だと首に食い込みにくくて良いかと思います。
セーフティコネクターをつける

首輪とハーネスをジョイントリードで繋ぐと、ハーネスが抜けても首輪が残ります。
わたしはこういう↑セット売りの物を買って、鞄の中で迷子になる物と鞄を繋ぐのにも使ってます。
ジョイントリードの他にも、二頭引き用を使う方法も。
↑こういう二頭引き用や、二股に分かれたリーシュの片方を首輪に、もう片方をハーネスにつけます。
エスケープアーティストの原因を探る
ハーネスや首輪から抜けたら、怖いものから遠ざかる事ができましたか?
体調不良や体の故障で、歩くのが辛くなっていませんか?
ハーネスや首輪から抜けたら、興味深くて楽しかったですか?

恐怖や不安を軽減する
犬がなんらかの物や音や状況に恐怖や不安を感じ、後退りしたり暴れて逃れようとしている可能性もあります。
まずは大きな反応が出る前の小さな反応を見つけるためにボディランゲージを見て、その反応が出る場所や状況から、犬が何に反応しているのか特定したいところです。
何に反応しているのか特定できたら、どのくらいの距離や状況なら大丈夫なのか閾値を見て、避けたり道を変えたり間に立ってあげたりのサバイバル作戦を練りましょう。
刺激の特定やボディランゲージを見るのが難しい場合、罰を使わないトレーナーや行動診療科に頼りましょう。
刺激に慣らしましょうと言われたならば、反応が出るまで無理やり刺激に近づけてから叱ったり犬具で抑え込むやり方は体を痛めたり、更なる問題へ繋がる危険性があるため避けましょう。
犬に無理させず閾値以下でトレーニングしてくれるプロを選びたいですね。(例えばカウンターコンディショニングは犬が反応するかしないかくらいの閾値の上でと言われていましたが、犬がリラックスしていないと学習が進まないため2025behavior conferenceでは閾値以下でと提唱されました)
健康上の問題を解決する
痛みや体調不良の不快感が原因で、途中で歩けなくなったり家に帰ろうとしたりしている可能性もあります。
お腹の調子が悪かったりどこか痛い時などは、すでにストレスが溜まっている状態です。不調があると、いつもは平気なバイクの音が痛いところに響いたりして逃げ出したくなったりする事もあります。
私たちも、不安ごとや体調不良があるといつも通りの力を発揮できないですよね。獣医さんへGO。
普段の生活にエンリッチメントを追加する
犬が自分で考えて自分のニーズを満たして楽しめる様な、ポジティブな活動が不足していないか生活を見直してみましょう。
(例)匂い嗅ぎが不足している→首輪やハーネスが抜けたらめっちゃ嗅げた!→首輪やハーネスを抜く努力をする様になる▶︎これを防ぐためにお散歩中、匂い嗅ぎにもっと付き合う時間を作ったり、安全に匂い嗅ぎできる場所を探す。
この様に犬にもともと必要な刺激を提供する事で、犬はわざわざ労力を使ってエスケープしなくても良くなります。
「すっぽ抜けた時だけが最高に楽しい!満たされる!」にならない様、他にも楽しいエンリッチメント活動を提供して、普段から犬満たししていきましょう。
人間のリーシュスキルと寛容さを見直す

人間のリーシュスキルをレベルアップ
犬がハーネスや首輪を抜くというよりは、人間が前側にリーシュを引っ張るから抜ける事の方が多いので→リーシュを引っ張る・引っ張り返す行動を安全な場所なら「リーシュを緩めて待つ」に置き換えましょう。
あらゆる動物には、引っ張られると引っ張り返す・押されると押し返す反射が備わっています。犬にも人間にも。
なので犬が座り込んで後退りしたら人間がリーシュをハーネスが抜ける方向へ引っ張ってしまうのも、リーシュを引っ張られて犬がさらに後退りしてしまうのも、当然の流れとも言えます。
が、私たちは人間なので!リーシュ引っ張り合いのループを生み出さない為には、リーシュを引っ張るのを私たちから辞めればいいのです。
短すぎるリーシュだとすぐに張ってしまってそこから引っ張り合いの反射が生まれてしまうので、長めのリーシュにして場所と状況によって短く/長く持つのがおすすめです。こちらの記事でも書いてます▼
厳しさを横に置いて、寛容さを取り戻す
犬は私たちが感知できない匂いなどから情報を得ています。つまり私たちが知る事のできない危険も察知してくれるという事。
匂いや音や前に通った犬が残した情報などから、今はこの道、通らない方がいいかも…を判断している可能性があります。もっと犬の判断や犬からのNOを受け取ってみましょう。
犬ブーツの記事↓でも書きましたが、犬が地面からの漏電を避けようとしてまっすぐ歩くのを拒否したり逃げようとしている例もあります。
常に犬をコントロールして歩かせるのではなく、犬が教えてくれる事を寛容に受け止め様々な要因を探るべきです。
呼び戻しCueを強く保つ

万が一のための呼び戻しCue(合図)に、犬がすぐ反応できる様にしておきたいですね。
科学に基づいて犬に優しく、かいぬしさんにも無理なく、かつ強力な呼び戻しを徹底的に学べる本はこちらがおすすめ↓
英語本なのでスマホ翻訳機能に頑張ってもらいましょう。呼び戻しだけで100pを超えるこの本は、こうやって教えればいいのか!の発見だらけです。
命を守るとも言える呼び戻しCueは強くしておきたいので、強化子をケチりたくないです。
ご褒美なしでできる事が凄いと思われがちですが、こちらの都合に100%従ってもらう時に無料でね!ってのはちょっと性に合わないし、強化子は行動を維持するために必要です。
そもそも正しく正の強化でトレーニングができていたら、「食べ物を見せないと来ない」は発生しないはずですが、命には代えられないので火事場では食べ物を見せて誘うなり、使えるものは何でも使った方が良いと思いますよ。ご褒美なしにこだわって良い場面じゃないですよね。
犬が逃げない犬育てをしたい

そんな感じで、ハーネスすっぽ抜けの対処や対策について書いてみました。できる対策はやりながら、お散歩の安全性と快適さを上げていきたいですね。
そしてもしハーネスや首輪がすっぽ抜けても、犬は逃げる必要がないという事が大切です。なんで犬が逃げる必要があるのか、考えたいところです。
かいぬしから逃げてまでニーズを満たしに行く必要があるなら生活を見直す必要があると思います。
犬種によっては人間から見えなくなるところまで犬だけで行って仕事をしてきた歴史もあるので、そういった特性を念頭に置く事も大切ですが、
生き物の行動の基本は望ましいものに近づき、望ましくないものから遠ざかる、です。
かいぬしがリードショックや叱責などを用いた安全でないトレーニングをしてくる、グルーミングやケアが強制的で安全を感じられない、呼び出されて叱られるなど、かいぬしとの経験が望ましくないものばかりにならない様にしたいですね。
- 動物福祉に則した、ニーズを満たす生活を
- トレーニングは正の強化で楽しく安全に
- ケアはハズバンダリー(Cooperative care)トレーニングを
- 叱ったりコントロールに重点を置くのではなく、犬のNOを聞き、協力し合える関係へ
それでは、よい犬暮らしを!






閾値とは▶︎刺激が犬にとってどれくらい離れていれば不快に感じなくなるかを示すもの
犬がリラックスしていられるなら閾値以下、反応が出るなら閾値以上となります