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犬を迎えると「きちんとしつけろよ」という周りからの圧や、犬育てを失敗できないプレッシャー、上下関係うんちゃらかんちゃらという古い考えのしつけ本やネット情報に惑わされる方が多いと思います。
まずは「犬を知る」の中から「ボディランゲージ」「ボディシグナル」と呼ばれる「犬のしぐさ=犬語」を知ってみませんか〜!
今回は写真やイラストで気楽に犬語を学べる本を紹介していきます。
犬のボディランゲージが読める利点
犬のしぐさ=犬語を読める様になると、かいぬしさんにとって良いことが沢山あります!
- 犬の気持ちがわかる様になる
- ドッグランなどでの危険を回避
- 散歩中の危険を回避
- 体罰・嫌悪罰ベースの訓練士やトレーナーを見抜いて避ける
一つずつ詳しく見てみましょう▼
犬の気持ちがわかる様になる
相手が犬でもヒトでも、100%気持ちがわかる様になる事は不可能ですが、それでも今この子は嬉しいのかな?本当に楽しんでいるかな?と疑問に思った事はありませんか?
全部はわからなくても、最低でも嫌だなーとか不安だなーと感じている時は気づいてあげたいですよね。
犬語がわかる様になると、犬がストレスを感じている時などに気づいて対処ができるので、犬にとっての安心安全の頼れる保護者にまた一歩近づけます。
- テレビなどで流れる「笑顔のわんちゃん」
- SNSで拡散される「子供と犬の微笑ましい場面」など
実際は…??ストレスサインが出ていたり??
誤解されたまま拡散されているストレススマイルや、それに伴うカーミングシグナルなどにも気付ける様になります。
何か新しいものを犬に紹介したい時や新しい場所に行きたい時など、「犬が嫌がったらやめてあげたい」と思っていてもその嫌がっている犬語が解らない場合、犬が逃げたり唸ったりする段階になるまで我慢を強いてしまいます。
そうなってしまうと「一度嫌になった物」を「平気」まで持っていくには結構な時間と根気を要しますし、何よりその子の犬生で苦手や苦痛が増えてしまいますよね。
ドッグランなどでの危険を回避
ドッグランや自宅で犬同士遊ぶ様な場面で、喧嘩になってしまった・噛まれて怪我をしたという悲しい話をSNSでよく目にします。
犬語が読めると、そのガウガウ遊び、本当に平和?がわかる様になります。
- カーミングシグナルを出しつつ近づいたりできているかな?
- 遊んでいる時のお互いのボディランゲージはどうかな?
- どちらかがストレスサインを出していないかな?
もしどちらかがストレスサインを出してもうやめてよ〜と言っているのに相手がまだまだ!となっている時はすぐ間に入ってあげられますし、カットインして止めに入ってくれる子の行動にも気づく事ができる様になります。
そしてまずドッグランに入る前に、ドッグランの中の雰囲気は爆発寸前になっていないか?ストレスサインが出ている子を追い回している子はいないか?他の犬に対して不安や恐怖を感じている子がいないか?なども判断できる様になると思います。
散歩中の危険を回避
お散歩中、知らない犬同士の挨拶は回避するに越したことはありません。
しかしこちらが避けてもあちらが来てしまったり、ヒト同士の付き合い上会話に発展したり、色々事情がありますよね。
そういう時に自分の犬と相手の犬の犬語を読めるといいですね。
犬語がわかると、どちらか又は両方がピリピリしていないか?うちの子フレンドリーは本当か?自分の犬との間に入って守ってあげるべきか?嘘も方便して逃げるべき?の判断ができます。
自分の犬がカーミングシグナルで地面を嗅いだり、弧を描いて近づこうとしているのをリードで制御する事もなくなり、犬も落ち着いて行動できるでしょう。
支配性理論を未だに信じていて犬同士の会話を「何見とんじゃ〜やんのかコラ〜」などと誤訳するプロもいますが、犬語がわかれば犬がいつもそんな喧嘩腰ではない事、基本的には平和主義である事にも気付けるかと思います。
確かに、
- 強制訓練や嫌悪刺激による過度なコントロールを受けているためにストレスレベルの高い犬
- 恐怖支配を受けているために支配のコミュニケーションしか知らない犬
- 恐怖や持病があるけどかいぬしが助けてくれないために、自力で相手を追い払う必要にかられている犬
は残念ながらいると思います。彼らのボディランゲージは喧嘩腰に見えてしまうかもしれません。人間のせいです。
体罰・嫌悪罰ベースの訓練士やトレーナーを見抜いて避ける
近年ではトレーナーやしつけ教室を選ぶ際にSNSや動画などを参考にされる方は多いと思います。
トレーナーの見分け方の一つとして、動画は優れた判断材料です。
- リードショックや手刀を入れたり、首を絞めて犬の自由を奪って学習性無力感に追い込んだり、ハンドラーに対してなだめのカーミングシグナルを出しているのに「主従関係がついて良い子になった」と言う
- 首を絞められて耳を倒したストレスサインを、「耳が倒れて従順な状態」と言う(ボディランゲージの誤訳と拡散)
この様な動画では、犬がしきりにストレスサインやカーミングシグナルを出しています。
犬語がわかる様になると、威圧的または暴力的な場面で、犬がストレスを感じたりトレーナーに「怖いよ、落ち着いてよ」と言ったり、側で見ているかいぬしさんにSOSを送っている事に気付ける様になります。
最初のうちは頻繁にカーミングシグナルを出していた犬も、強制的な訓練が進むにつれストレスレベルが高くなりすぎて仕草も奪われカーミングシグナルさえも出せなくなる可能性があります。かろうじて出来るのはパンティングやストレススマイル位だったり、自分の尻尾を追って回る・足を舐め壊すという様な常同行動が出る子もいます。
犬が犬語を奪われるという事は、よその子とも会話ができなくなるため、トラブルに発展しやすくなる可能性もあります…
こういう訓練士やトレーナーを避ける事ができれば、リードショックによる首の損傷や精神の崩壊から愛犬を守れます!
体罰や嫌悪刺激を使わないトレーナーを選ぶ事で、犬との信頼関係も深まり、犬は犬語を奪われる事なく穏やかで楽しい生活が送れるでしょう。
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それでは、ここからは私が実際に読んでみて犬との暮らしが変わったと感じている本を紹介していきますね!
イラストで見る犬語図鑑
世界的なイラストレーター Lili Chin氏によるボディランゲージのイラスト図鑑。ついに日本語版が出版され、犬界隈ではとても話題になりましたね。
かわいいイラストが満載で、しかもイラストなのに写真の本に負けない位とてもわかりやすく描かれています。かいぬしさんにはもちろんおすすめですが、将来犬と暮らしたいと言うお子さんにも。
学校の図書館に置いて欲しいくらいです!
写真で見るカーミングシグナル
著者はノルウェーのトレーナーで動物行動学者のトゥーリッド・ルーガス氏です。
- 犬にとって大切なボディランゲージの一部
- 自分や相手をなだめたり、敵意がないよと示したりする
- ストレスを感じ緊張を和らげたい時などにも
カーミングシグナルは犬と暮らす上で知っておきたい知識です。知っておく事で様々な場面で犬を守る事ができる様になります。
犬との関係は主従関係ではなく親子関係に近い事や、パピーライセンスについてなども学ぶ事ができます。
薄い本なので読書が苦手だったり本を読む時間がない人でも楽に読めると思います!
▲ちょっとAmazonでは価格が高騰してしまって困ってしまいますが、楽天や他の本屋さんで探してみてください。
▲英語版は高くなっていません。
写真で見るボディランゲージ
著者はデンマークのドッグトレーナーで動物行動学者のヴィべケ・リーセ氏。編集と写真は藤田りか子氏。
このシリーズはタイトルに「ドッグトレーナーに必要な」とありますが、一般のかいぬしさんでも十分に楽しめる・勉強になる内容だと思います!
10年前の発行であるため少し古く感じる箇所もありますが、まだまだ罰を使う訓練が多く行われている現代では、このシリーズから得る学びは十分に新しい事ばかりです。
※こちらもAmazonでは価格が高騰している時がありますので、楽天や他の書店でも探してみてください。
子犬レッスンテクニック
数少ない幼児と犬が一緒にいる時に親はどうしたらいいか?が載っている本です。
子犬期独特のボディランゲージや、子犬期のお散歩の仕方などが写真付きで詳しく載っているので、これから犬を迎える方やもうすぐお散歩デビューなかいぬしさんにもおすすめ!
先読み・深読みテクニック
口から尻尾まで、パーツごとに写真が載っていてわかりやすい!
思春期の犬のボディランゲージについてや、犬同士の会話の時にかいぬしはどうしたら良いかなど、犬飼いさんなら知りたい事がたくさん載っています。
お散歩中によそのお子さんが触りに来た時のボディランゲージや犬の心境はとても参考になると思います。
犬に信頼されるテクニック
犬との信頼関係についてや環境エンリッチメントについて、動物病院が苦手な犬にどうしてあげたら良いか?など、実生活で役立つ学びがたくさん。
チョークチェーンや細い紐状の首輪(おそらくスリップリードの事)での訓練が首や背中の故障に繋がり、ひいては行動の問題へ繋がるなど大切なお話も。
興味深いのはデンマーク軍の軍用犬への取材ページです。一般的に、家庭犬はポジティブトレーニングでいけるけど警察犬や軍犬はチョークも使う厳しいしつけが必要なんじゃないの?というイメージがあると思います。
ところがデンマーク軍ではハーネスなのです。首輪も着用していますが日本の警察犬訓練士がやるような、細かいリードショックなどをしている場面はありません。その様な嫌悪刺激や叱責を使って服従させる訓練をしていては、犬の安全は確保できないそうです。
気になる方は是非読んでみてください。
他にも、複数の犬を扱うテクニックやDVDつきの本もあります。
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実際にボディランゲージを見る時は
本をいくつか見てみたら、実際に犬を見る練習をする事をおすすめします。
- 最初は一頭の一つのボディランゲージを見ると決めて動画を見る
- 慣れてきたら一つのボディランゲージ+体全体のボディランゲージを見る
- 時間の経過を通して、前後の状況の流れを見る
- 一頭を見られる様になったら、二頭が遊んでいる動画などを見る
いきなりドッグランなどでの実践ではなく、動画を見て練習すれば気が楽です
体全体を見よう
前後の動きや状況も見よう