いつもご観覧いただきありがとうございます。今回はSNSを見ていたら子犬の夜泣きが大変、という話があったので、うちは一緒に寝たよという内容です。
一緒に寝たらダメって聞いたんですけど…
一緒に寝て良かったよって話をしますよ〜
子犬が鳴いても鳴かなくても一緒に寝た方がいいんだよ

子犬を家に連れてきたらまずは安心感を育むのが一番大切ですよね。
新しいニンゲンのところに連れて来られて不安ななかで、「このニンゲンは味方なんだ!頼っていいんだ!な〜んだ大丈夫かも〜」と感じてもらいたいわけです。
そのためには子犬の泣き言にさっさと応え、不安な夜を一緒に過ごしましょう。
子犬が夜中に鳴く理由いろいろ
- 慣れ親しんだ実家から知らない家へ
- 一緒に寝ていた親兄弟がいない
- 本能的に頼れる誰かを求めている
- 膀胱が小さく朝までトイレを我慢できない
我々人間も、新しい環境では不安ですね。例えば新しい職場では教えてくれる人がいないとストレスを感じ、助けてくれる人と一番最初に人間関係を育みます。
子犬が本能的にお世話を求めている事は、甘噛みの記事でも書きました。

子犬は膀胱が未発達なので、朝までにトイレ休憩が必要になります。夜通しケージやクレートに入れっぱなしだと、膀胱炎になったり翌朝うんちまみれになっているかもしれません。
近くで寝れば、子犬が起きてゴソゴソしだしたらこちらも起きる事ができます。
初日からしばらくは一緒に寝よう
- 子犬が安心できる様に
- 何かあった時にすぐお世話ができる
- 子犬は本来誰かとくっついて寝る
- 寝室にクレートやケージを設置して一緒に寝る
- リビングなどクレートやケージの隣で一緒に寝る
- 一緒に寝る部屋にトイレシートを敷き詰めておく
- 夜中にトイレシートへアクセスできる様、クレートやケージの扉は開けっぱなしにしておく
- 安全のため夜中の行動範囲を制限したい場合はサークルで広めに区切る…などなど
うちはこうしたよってのを後の方で書きます。
最初の数週間は子犬の排泄で起きたりして寝不足になるかもしれませんが、生き物の赤ちゃんを育てるってそういうものですよね。
生き物の赤ちゃんは身を守るためにくっついて寝ないといけない。前日まで兄弟とくっついて寝ていたのに今日からはい一人で寝て!は無理な話です。急に一人にされたら夜鳴きもするでしょう。
寝返りで子犬を潰しそうでこわいなら、布団をすぐそばに敷いて子犬を一応ケージやクレートに入れ、扉を開けっぱなしにして手を入れておいてあげたり、サークル越しに一緒に寝てあげる事もできます。
海外の子犬育て本やコースやネットコラムの多くでは、子犬を連れて来る日からまとまった休暇を取り新しい家に慣れるまで一緒に寝る事を推奨しています。
日本のSNSでは「子犬泣いても外出すな」という様な、ケージやクレートから出してはいけない・鳴いても応えてはいけないという迷信がよく見られます。
欧米と真逆で、人間の赤ちゃんは赤ちゃん部屋で一人で寝かさず一緒に寝るのに、子犬となると何故一人で寝かすんでしょうね。
欧米では子犬は一緒に寝るが、人間の赤ちゃんは一人で寝るという…なんなんだ、ちょっと興味深いですね。
なぜ一緒に寝てはいけないと言われるの?

どうも日本でよく言われている「一緒に寝てはいけない」はこういう事らしいです↓
- 同じベッドやソファに犬をあげてはいけない
- 鳴いたら出して貰えるとワガママになる
- 何かあった時にクレートで寝られる様に慣れさせたい
これらは本当なんでしょうか?一つずつ見ていきましょう。
同じベッドやソファに犬を上げてはいけない?
これは前時代的なアルファ理論ですね。犬の立場が上になるとか、犬がリーダーになってしまうというやつ。現代では否定されているので信じなくて大丈夫です。
犬と場所取り合戦をして犬の上を握る様に教わってしまったら、あらゆる場面で対立しやすく犬の行動をコレクション(訂正)し過ぎたりリーシュコントロールをし過ぎて人も犬もフラストレーションや不安を蓄積させやすいです。
叱る依存にも陥る可能性があります。
いつも「犬に上を握らせたらダメだから頑張らなくちゃ」と気を張って威圧的に振る舞ってしまいテストステロンが多くなりストレスホルモンも多く分泌され体に悪く、一緒に過ごす犬はかいぬしが威圧的でストレスホルモンが多いと安心できません。
犬の方もあれはダメこれはダメと言われすぎて慢性的ストレスホルモン過多になって体調を崩したり、
- ベッドやソファという数少ない快適に過ごせる場所を守る必要が出てくる
- ベッドやソファ×叱られるというネガティブな学習
- =守ったり唸ったりというシグナルがアルファ・ドミナントドッグと勘違いされる
- →アルファ・ドミナントなニンゲンからより一層厳しくされる
- →更にストレスが溜まり、行動や健康に悪い変化が出てくる可能性
なんだか堂々巡りであまり平和じゃないですね。
また関節などに痛みや痺れを抱えた犬が、痛みを和らげるためにベッドやソファに寝たい
↓
人間が隣に乗ると発生する凹み・軋みによって痛みが誘発される
↓
痛いから来ないで欲しくて唸ったり、痛みが強いとパニックで噛んだり
↓
ベッド・ソファ+痛みのネガティブな関連学習+叱られて更に恐怖や不安の関連学習が起こる
パターンもあり。これはシニアだけでなく、リードショックを受けたりいつも上を向いて歩く様に矯正された犬が首や背中に痺れや痛みを抱えて起こしやすい問題です。
成長痛でも起こるので、反抗期で我が出てきてアルファになろうとしているなどと勘違いされ厳しくされ、リーシュで引っ張って降ろされたりする事で更に首や背中を痛める可能性があります。
こういう低いソファは快適そうでいいですね。
犬用ステップは犬が踏み外さない、幅のあるものがおすすめ。
うちはカナダで大型犬用ステップが見つけられなかったので(車用しか無かった)硬めの折りたたみマットレスをステップにしてます。
鳴いたら出してもらえるとワガママになる?
これは 犬が鳴く→ケージやクレートから出して貰える(犬にとって望ましい事)→鳴く行動が増える というオペラント条件づけの正の強化の事を言いたいのだと思います。
が、単に応えて貰えたからその行動が増えているだけという現象なのでワガママではありませんね。
そもそも夜にひとりぼっちでケージやクレートに閉じ込めなければ鳴きません。
基本的に鳴いて訴えるのは恐怖や不安から守って欲しかったり、何かが不足しているから。不足の例はお甘えなどの社会的な関わりとか、お腹が空いたとか、排泄場所へのアクセスとか、お世話とかです。
閉じ込められると脳が危機的状況!緊急事態発生!助けを求めよ!と判断するので鳴くのは当たり前ですね。
社会的な種の幼体が安全や関わりやお世話を求めるのは当然のことなので、まずは閉じ込めない事。
鳴いたらすぐ応えてあげる事・鳴く前にニーズを満たしてあげる事を心がけると安定した信頼関係が育めますよ。
何かあった時のためにクレートに慣れさせたい
そんなもんは後。犬の赤ちゃんを家に連れてきたばかりです。まだまだそういう段階ではないですよね。
クレートに慣れるには、クレートに安心や快適を感じてもらうしかありません。
新しい環境に来て不安でいっぱいの子犬を閉じ込めて、鳴かせても出さないで育める安心感や快適感は、ありません。
安心を感じてもらうのが先です。閉じ込めてしまうと、クレートで感じた不安や恐怖を払拭するのに犬も人間も苦労する事になります。
また子犬は泣き叫んでも誰も助けてくれないという、恐怖心や不信感を学ぶ事になります。
うちはこうしたよ・こうなったよ

うちはもともと、寝室で一人がリビングで一人が寝ています。私が家族のいびきに耐えられないからです。
なので子犬が来たら交代でリビングで寝ていました。
夜中に齧って欲しくない棚や配線類は金網で守り、靴などは届かない高さにしまいました。
トイレトレーニングでトイレシートを敷き詰めてあるところにお布団を敷いて寝て、ケージは開けっぱなしで自由に出入りできる様にしました。
ずぼらトイレトレーニングの様子はこちら▼

菊ちゃんはニンゲンの布団か枕の上で寝て、夜泣きする事はありませんでした。夜間の排泄はトイレシートでしてくれたのでお布団も汚れず楽させてもらいました。
夜中や朝方にうんち踏んだとかのアクシデントは何回かありますよ。赤ちゃんですから。
夜泣きよりも寝ぐずりの甘噛みのほうが激しかったですね
へへへ
ケージに入れて寝させよう、という事はしませんでした。楽ちんずぼらハウストレーニングはこんな感じで行いました↓
おまけ:ずぼらハウストレーニング

日本では災害の避難対策として、クレートやケージに入っていられる様になるハウストレーニングが必要になりますね。
うちは災害対策というよりは、年に数回管理会社の入室チェックの際に犬をケージに入れる必要があります。エアコンフィルター交換や火災報知機検査などですね。
長時間のお留守番が発生するなら練習+誰かにお散歩をお願いしますが、2時間程度のお留守番ならケージで寝ていてもらうため、ハウストレーニングを行いました。
- ケージは開けっぱなしで柔らかい物を敷いておく▶︎ケージを発見し自分で調べて入る様になった
- たまにおやつを入れておいたり、入ってる時におやつをあげたり、ケージでKONGやご飯をあげたり▶︎そんな事してる間に中で寝る様になった
- 入る時の「ハウス」キューと出る時の「アウト」キューを正の強化で
- 扉を閉めるのは1秒から
- 扉を閉められる時間が延びたら、お留守番の練習を1秒から
お留守番をフリーにしない理由は、うちはキッチンにゲートを設置できない作りだからです。菊ちゃんはコンロのスイッチに手が届いてしまうので。
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助けてくれる人とは信頼関係が築ける

そんな感じで、今回は一緒に寝ると夜鳴きしないし、一緒に寝てもいいんだよというお話でした。
連れてきたばかりの子犬をひとりぼっちの部屋でクレートに入れて鳴いても無視して出さないとか、クレートを叩くとかはしない方がいいのです。
信頼して欲しければ、わたしたちにできる事は子犬に応え子犬を助けて「このニンゲンを頼ってね」を態度で示す事です。
それでは、よい犬暮らしを!
今では「お留守番なんだけど…」の「お」位で「あ〜はいはいハウスね」とケージに入ってくれるのでありがトリーツしてます。
「お留守番」は教えてないんだけど、先代楓と同じ様にできる様になりました。